遠藤夕幻についてAbout YUGEN
書道家:遠藤夕幻の本質的な部分
からご紹介致します。
作品Works
これまで生み出してきた作品たちを
ご紹介致します。
文字は、“時空を超える”。
その成り立ちから紐解くことで、現代を生きるヒントを得ることができます。古代からのメッセージを遠藤夕幻が読み解きます。
古えの人々が持っていた“祈り”の感覚とは、いったいどんなものだったのでしょうか。
現代を生きるわたしたちが、古代の息吹を感じられる貴重な瞬間。
それは、時空を超えて存在する「文字」の起源に触れることができたときではないでしょうか。
文字の成り立ちに込められた、起源の物語。
それが「字源」です。
まず「祈」という文字は、
示(しめすへん)
+
斤(きん)
から成り立ちます。
示は、「祭壇」を意味しており、神に祈りを捧げる“場”のことを表します。
斤は、「ちょうな」と云われる「手斧」の形を表す象形であります。
祭壇と手斧。
このキーワードを元にして、古代の人々の生活を少し想像してみましょう。
手斧というのは、木を削って何かを形成するものです。
その「何か」は、ここでは文字通り「祭壇」なのではないでしょうか。
「祈」は「(人が)自らの手で祭壇をつくっている(現場)」が連想されます。
古えの人々が、神に祈りを捧げる場を自らの手で造り出し、整えていく姿が視えてくるような氣がします。
つまり“祈り”とは、
特別な一日に向けて準備し整えていく「姿勢」であり、祈りに向き合う「在り方」を指し示していたのです。
字源の物語は、いかがでしたか?
これが文字に込められている物語であり、それを読み解いて分かりやすくお伝えするのが、この「字源コンテンツ」であります。
余談ですが、「祈」の字源に、手を合わせて跪き、首を垂れ、祈っている「いわゆる祈りのシーン」は全く描かれておりません。
祈っている人の姿を現している字源は「祝」という文字になります。「祝」に関しては、また別の機会にお話しさせていただきますね。
次回は、「甘える」に関してお話しようと思います。